投稿 2025年6月4日

自給自足に備えて狩猟免許を取得、お米を何合入れたか不安、コミティア1ヵ月前に本完成~集まれ心配性ファイナル

お米を何カップ入れたか不安になるので山になるように入れています。これは3合。


皆さんの心配性エピソードを募集した「集まれ心配性」。今回で最終回です。

投稿が集まるかどうか心配なスタートでしたが、フタを開けてみれば280通以上の心配が集まりました。ありがとうございます。最後ですのでどんどん見ていきましょう。

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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「仕事で金庫を開けます」

最終回も変わらずショート心配からスタートです。

大切なものほど絶対になくさないように特別なところにしまいます。でも心配のあまり毎回特別すぎるところにしまってしまい、よくなくします。(やもら)

過去の心配を超えないと見つからない。敵は己自身の中にいます。

仕事で金庫を開けます。その日の売り上げを入金に行き、金庫内のお金を確認し、金庫を閉めます。あれ、お金合ってた?通帳あった?の確認を10秒以上して、金庫が閉まっているかを3回確認します。帰りながら、金庫の鍵片付けたか頭のなかで確認します。(なち)

「仕事で金庫を開けます」。なんて緊張感のある出だしでしょう。

子供がまだ小さかったころ、親戚宅に旅行する際にしおりを作り、持ち物に『耳かき』を入れたことをいまだに笑われます。だって、人んちで急に耳が痒くなったら困るじゃん…(おこわ)

小さい子と旅するときの荷物ほど心配が膨れ上がるものはありません。体感で大人2人分くらい荷物が増えます。

パソコンを使う仕事をしています。

普段は利き腕の右手でマウス操作をしていますが、万一骨折などして使えなくなると困るので、左手も特訓して今では両手ともに遜色なくマウスを使えます。(タコス)

僕もお箸も両手で使えるようにならないとな、と読んでて思いました。

休みの日が本当に休日なのか心配になります。自分以外の人は会社で働いているのではないかと。休みを確信するために、遊んでいる親子を見に近所の公園に行きます。雨の日は公園が無人なので詰みます。(うゆに塩子)

子どものころ、通学途中で子どもの姿が見えないと「今日休み……?」と心配になったりしました。大人になると「今日会社……?」のほうが心配です。

ご飯をまとめて炊く時に、計量カップで何合入れたか不安になります。計った米をもう一度計量カップで1合ずつ別のボウルに移して答え合わせをしますがそれでもちょっと不安です。(うめこ)

めちゃくちゃわかります。1回米びつにザーッと戻してやり直していました。「炊飯器の釜のなかでカップ1杯ごとに山を作るといい」と聞いてからなんとかなっています。お試しください! 

子供のころですが、自転車の鍵をなくしてしまったらどうしよう、といつも不安で、鍵を失くしても鍵部分を外せるように、小さめのプラスドライバーをリュックに常備していました。使うことはなかったのですが、ドライバーを持っている事で安心したかったんだろうなと今なら思えます。(ささきぴょん)

 お守りとして機能しているプラスドライバー

流通に頼りすぎて生活していることを常に心配しています。流通が止まったら餓死……?と思うと心配で、自分でお肉を調達できるように狩猟免許を取りました。野菜は雑草を食べればなんとかなると思ってますが、一応ハツカダイコンを育てたりしてます。(とりもちうずら)

 当サイトのライター、とりもちうずらさんから。自給自足になっても肉を諦めないガッツを見習いたいです。

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夢に出てしまう人たち

集まったエピソードのなかに「心配のあまり夢を見る」という方が結構いらっしゃいました。寝汗でびっしょりの様子を想像しながらご紹介します。

学校のゼミ発表、会社の大事な会議などの前には質問されたことに答えられなくて失敗する夢を見ます。
いつも起きてから、その内容の質疑応答を作成するのですが実際に役立ったことはありません。(ししゃも)

これでその質問がズバリ飛んできたら予知夢になるのですが、今のところただただ心配なだけですね。

旅行が好きなのですが、基本的に航空券やバス、新幹線のチケットとホテルは別々に取っています。そのため、日程のズレや曜日間違いがないかを予約する前や予約する後も何回も確認しています。
自分の記憶力を信用していないので、当日が近くなればなるほど怖くなります。飛行機の予約を1日早く間違えた悪夢を見た事もありました。(Rin)

夢判断にかけても「予約が心配なんですね」とストレートに言われるような悪夢。

ライブの前日、必ず「チケットを忘れた!」という夢を見ます。東京から新潟まで遠征して到着時にチケットを忘れたことに気が付き、今から往復すれば間に合うのか?を調べたりするリアルさです。もう無意識下でも心配性なのです。(おけらん)

心配性は対策まで夢に見ます。なんなら朝に目が覚めても、布団の中でその続きを考えていることがあります。

もう20年も前の新婚だった頃、夫のお弁当作りがとにかく不安や心配の種で、量や内容についてはもちろん、調理時間と起床時間の逆算が合っているかと時計を何度も指差し確認することも。

ある日、タイマーセットした炊飯器がきちんと稼働するか心配しながら就寝。朝、炊飯器を開けたら無事に炊けたほかほかの白米にプラ製のしゃもじが一緒に炊き込まれてドロリと溶けている、という夢を見てガバァッ!と飛び起きました。さすがに「自分、心配し過ぎ」と思いました。

以降、お弁当は夜のうちに作って余計な心配ごとをひとつ減らすようにしています。(いちごちゃん)

タイマーを心配しているのに、溶けたしゃもじが出てくるホラー展開。心配性のジャンプスケア※ですね。
※ホラー映画やゲームで、飛び上がって驚くような演出を入れること。

書類を300枚くらい用意しなくてはならなかった時がありました。印刷した後、配布準備は後日行うことになったので、その日は帰宅しました。

しかし、枚数が合っているかどうかとても気になってしまい、その日の夜、書類を保管した部屋に忍び込んで枚数を数えて「20枚しかない!!全然足りなーい!!」と泣く……という夢を見ました。

次の日、真っ先に数を確認しに走りました。ちゃんとありました。(猫メリー★)

「書類を300枚」の時点で緊張感が高まります。まったくない、ではなくて「20枚しかない」というのもリアルで怖いです。

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この失敗を思い出してきっと心配してしまう

過去に失敗をした経験から、ずっと心配してしまう……という方々もたくさんいらっしゃいました。無理もないと思います。二度と同じ過ちは繰り返したくないですからね……。

コンビニで車のパーキングブレーキをかけ忘れて車が動き出してしまったこととか、窓を締め忘れて猫にシートを破かれたことがあるので、車を降りた後に何かやり忘れていないか毎回心配でなりません。
車を降りた後、ちゃんとできていないか気になって仕方なく、降りた後も車の周りをウロウロ回って確認したり、家に戻ったあとも気になって車に戻ってきたりしてしまいます。(Noah)

僕も一度車のバッテリーを上げてしまってから、車の周りをウロウロ回るようになりました。すごい遠くからキーレスエントリーでロックをもう一度かけたりします。

帰省で新幹線乗車を年2回ほどします。乗車後、ウキウキと駅弁を食べ始めたところで「席間違えていませんか…」と声をかけられてものすごく恥ずかしかったです(実際間違ってました)。
以来、駅弁を食べ始める前に乗車号数、車両番号、座席番号を確認するようになりました。なんなら乗車後一駅は我慢しています。(もりもり)

新幹線やコンサートなど、指定席に関する心配もたくさんいただきました。チケット、めっちゃ見ますよね。先に誰か間違って座っていないかも心配です。 

外出時に水の元栓を閉めます。昔、実家で家族が寝静まった頃に水道の蛇口が壊れて水がジャージャーと出ていたようで、起きたら部屋が水浸しになっていました。家族総出で早朝から水を掻き出しましたがそれ以来、必ず元栓を閉めてから家を出ます。(きゃつお)

蛇口を心配するのも限界があるので、元を絶つという対策。

扉を開いて待機しているエレベーターに乗り込むとき、乗るタイミングで扉が閉まり始めて挟まれないかが心配で「挟まないで…」と心の中で念じながら、気持ち体を縮めてしまいます。実際軽く挟まれたこともあるので、スローモーションで扉が近付いてくるシーンが思い浮かびます。(ぐぐ)

毎回ドキドキしながらくぐるのが気の毒で仕方ありません。いっそ毎回ドアを押さえたほうが安心するかもしれません……!

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練習前にダンスを完ぺきにマスター

最終回なのでどんどん行きましょう。

以前、趣味で漫画を描いていたのですが、コミティアに申し込んだらもう大変。間に合わないのが怖すぎて、イベント1ヶ月前には刷り上がった本の詰まった段ボールが手元に届いていました。
一晩で印刷してくれる印刷所はどこだとか、締切を過ぎてから印刷所に頼み込んで刷ってもらう「極道入稿」なんて言葉も界隈ではよく聞くのに、私は一番ゆっくりなプランで紙も選び放題。それでも10日くらいで印刷してくれちゃいました。ひとりだけ文化祭の準備に参加できないような寂しさはあります。(K)

みんなが「ギリギリ間に合った!」と喜んでいるところに、「自分はもうできている」とは言えないので、じっと様子を見ることになります。さみしいです。

ダンスを習っているのですが、大体1ヵ月前ぐらいにはお手本動画が共有され、その時点から本気で練習を始めるので、大体その曲のレッスンの初回時点で、完璧にマスターしているどころか、もはや飽きてダレているまであります。

それでも心配性なので、やっぱり1ヵ月前から練習に取り組んでしまいます。(あずき婆)

ダンスでも似たようなことが起きていました。

高速道路のETC料金所のバー。上がらなかったらどうしよう、上がる前に突っ込んで壊してしまったらどうしよう、と心配でいつも必要以上に減速してしまいます。
かといって、あまり強くブレーキを踏むと後ろから追突されそうでそれも心配。夫の運転の助手席に乗っていると、体感ほとんど減速せずに通り抜けたりするので、毎回背筋がひゅっとなります。(ゴールド免許ではあるんです)

ETCに限らず、かもしれない運転が止まらない心配性ドライバーは、人に運転はひゅっとなりがちです。タクシーに乗ると「その速度で……!」って場面が毎回あります。

ハンバーグを手作りする際、ちゃんと中まで焼けているか心配です。
一般的に「竹串を刺して、抜いた穴から透明な汁が出てきたらOK」とありますが、本当に?その透明な汁は本当に中心部まで焼けているサインなのか?と不安になるので、焼けた分を全部半分に割り、家の中のあらゆる照明の下で目視で確認します。(照明の色がハンバーグの色に影響を与える可能性を考えて)
なので我が家のハンバーグは、楕円を半分に切った見た目をしています。(生肉捏ねたボウルも心配)

中まで焼けているか心配な方は他にもいて、「焦げるまで焼いてしまう」「串を何度も刺して穴だらけになってしまう」という声もいただきました。 

「捨てたら後で困るのでは」という心配で書類の類をなかなか処分できません。

「取っておいたおかげで助かった」系のエピソードを見聞きするとなおさらで、「会社が自分の年金加入手続きをしておらずもらえないところだったが、妻が毎月年金料を家計簿につけており、それを何十年分も保管してあったのが証拠となって年金受給が認められた」という話を聞いて以来家計簿を捨てられず、「週刊誌に告発記事を書いた相手から数年経ってから訴訟され、自分も編集者も関係資料を処分してしまっていたが、共同執筆者が保管していた取材ノートが証拠となり、損害賠償を免れた」というライターさんの逸話を読んだおかげで仕事関係のメモノートが捨てられません。

年金は昭和の昔の話だし、私の仕事はふつうの派遣事務職なのですが…。(古今アキ)

助かった系エピソードは新たな心配製造機でもあります。えん罪をかけられたらどうしよう、とかもありますよね。

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心配が心配を呼ぶ

心配性エピソードを募集したことで、心配性界隈に新たな波紋を広げてしまったこともわかりました。

自分の心配性エピソードを思い出しているうちに心配で眠れなくなりました。責任とってください。(うのっち)

すみません……!

有事に備える系のエピソードを読んでいたら急に普段の自分の生活が心配になりました。今日の帰り道にカバンに入れるお菓子やペットボトル飲料を買い、パスポートの申請も視野に入れたいと思います。明日は休みなので、エコバッグやモバイルバッテリーの予備も買いに行くつもりです。(読者)

前回の「有事の際にすみやかに出国できるようにパスポートを常時携帯している」という話から。 パスポートはもとより、災害の備えは大切ですね。

卓上バーナーで作業して帰る途中、心配エピソードの「元栓閉める」が頭をよぎり、消し忘れた種火が引火、ビル全焼と心配になり確認しに戻りました。閉まってました、深夜1時でした。(レフティ)

深夜1時にすみません。閉まっていてよかったです。 

今投稿したいエピソードが大きいものがひとつ、小さいものが複数あるのですが、書き方に逡巡した結果「心配しているのでそういうことをしている」と文章にすることで言霊的な影響が発生してしまいもっと心配したり油断したりするのでは……という気持ちになっておりエピソードを投稿できないことに気付きました。すごく無理すればできるけど……これ自体を心配性エピソードとしていただけないでしょうか。(くびまわりしんぐ)

ご無理なさらないで大丈夫です! 心配性エピソードとしていただきました。

今回投稿いただいた方のなかには、「なんでそんなに心配するの?」と周りの理解を得られず、胸を痛めたことがある方もいるのではないでしょうか。わかってもらえないこと多いですよね。

最後に、精神科医の方からいただいたメッセージをご紹介して終わります。

心配性エピソードからは外れてしまいますが、私は精神科医として生業を立てていまして、ありとあらゆる心配エピソードを受け止める日々を過ごしています。おそらく、今回応募があったエピソードのなかにはライトなものばかりでなく、重めなものもあったのではないでしょうかとお察しします。

私は心配エピソードを告げられたあと「どうしたら良いですか?」とほぼ必ず聞かれます。それまでは時間をかけて心配、不安、恐怖などそれぞれどういうものかと説明し、一般的な対処法などを説明していましたが、理解しにくいのもあってうまくいきませんでした。

そんななか、昨年公開されたピクサー映画の「インサイドヘッド2」は「シンパイ」という感情がトラブルを巻き起こしていくストーリーで、心配についてものすごくわかりやすく描かれていました。この映画を観たことがある人であれば、イメージがしやすく理解が得られやすかったです。観たことない人には観ることをオススメしています。

「心配」についてイメージするにはインサイドヘッド2がオススメです。(医愚恥)

医愚恥さん、初回で「マックのドライブスルーは商品を受け取ってもそのまま帰らず、1回駐車場に駐めて商品を確かめる」と投稿されていた方です。精神科医の方でも心配するんだ!という強い気持ちにもなりました。ありがとうございます。

今回で「集まれ心配性」は終わりです。たくさんの投稿、ありがとうございました!採用できなかったみなさんごめんなさい!

また機会がありましたら集合したいと思いますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします。それでは、よき心配を。

 
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